売上落ちすぎでうつっぽくなったところから回復した本のはなし

対象読者:売上が激減してメンタルやばめの人

売上落ちてやべえなって、去年の秋くらいからずっと思ってたんですよ。

それで1年くらいがんばったけど、ニッチもサッチもいかなくて。とりあえず役員報酬取れないわって感じなんですね。余裕ぶってるけどマジヤバイ。

で今年の10月はもうかなり病んでて、何してても楽しくない感じ。

楽しいって気持ちがなくなったような、そんなことになったの初めてだったからビックリしました。

「もういっそ死んだら保険も出るし、こんな苦しまなくていいんだよな~」って思うこともあったり。

あ、これ「うつ」じゃね?

そんなときに読書猿さんが紹介してた本が「いやな気分よ さようなら」。

うつ病の人が自分で読んで対策するような本です。なんかうつ病のバイブルらしい。

「コンパクト版って言っても分厚いし、高いし……」

三宮のジュンク堂でけっこう悩んだけど、思い切って買いました。

結論から言うと、自分にはめちゃくちゃ合いました。生きていく上でずっと使う本やなって今は思ってます。あのとき買った自分グッジョブ。

ひと言で表すと「薬もいいけど、うつは歪んだ考え方が大きな原因だから、そっちもちょっとずつ直そうぜ」って本。

売上落ちて、酒飲みまくったり、自暴自棄になったり、居場所がなかったりする人にこんな本あるでって知ってほしくて、この記事書いてます。

翻訳もので分厚くて、とっつきにくい人もいると思うので、最初の方だけ要点書いておきます。

「だいたいこんなこと書いてあるんやな」って読書ガイド的に使ってください。

本文までが長いのだけどうにかならんのかって思う。

最初の方はマジ長いから飛ばし読み推奨

序章

この本で扱うのは認知療法だよって話。

あとこの本が出版後どう使われてきたかが書かれてます。

読書療法として単独で使っても効果があるって話とか。xiiiのグラフ見ると効果ありそうって思うかも。

序文

著者の師の推薦文。スルーしてよし。

はじめに

著者が認知療法にたどり着いた経緯。ぶっちゃけ最後の段落だけ読んどけばオケ。

訳者代表のことば

アメリカでベストセラーとなっていた本書を訳者が日本に紹介したいと考えた動機など。

xxxviiiの著者バーンズ氏の手紙の言葉くらい読めば十分。

第一部 理論と研究

やっとここから本文。最初に知識面を入れて、あとから実践していくイメージ。

第一章 うつ病治療の画期的進歩

認知療法の効果とその基本的な考え方の解説の章。

9ページだけだから全部読もう。

  • 認知療法第一の原理:あなたの感情はすべてあなたの「認知」(ものごとの受けとめ方)あるいは考えにより作られる。
  • 認知療法第二の原理:憂うつな時には悪い方向ばかりでものごとを考える。
  • 認知療法第三の原理:感情の混乱を引きおこすマイナスの考え方は、ほとんど常に認知の歪みを含んでいる。

認知療法が抗うつ薬に勝る治療効果をあげ、さらに再発率も低くなるデータも。

第二章 どうやって気分を診断するか、治療の第一歩

BDIってうつ病の簡易診断が載ってます。一回やってみよう。

定期的に週に1回やるといいらしい。

ちなみに僕が10月に初めてやったときは20点だったけど、今は17点だった。2週間経過してずっと17点以上なら専門医にかかった方がいいそう。

20点はほんまは病院行った方がいい。たぶん。

第三章 自分の感情を理解する、考え方で気分は変わる

本書の核となる部分。ここほんと何度も読もう。

うつ病を引き起こすマイナスな考え方(自動思考)を知る。

10種類の認知の歪みが出てくるんだけど、ほんと面白いくらいメンタルやばいときはこういう考え方してる。以下10種類かんたんに。

  1. 全か無か思考。なんでも完全主義をやめよう。0か100じゃない。中間がある。
  2. 一般化のしすぎ。1回の嫌なことが毎回起こると思い込まないようにしよう。うまくいったこともあるよね? 次はうまくいくかもしれないよね?
  3. 心のフィルター。1つの良くないことばかり考えて、良いこともあるのに見過ごしてしまう。
  4. マイナス化思考。何でもないことや良いことを悪いことに替えてしまう。
  5. 結論の飛躍
    その1.心の読みすぎ。相手の事情がわからないのに勝手にマイナスな考え方で人の心を決めつけてしまう。
    その2.先読みの誤り。未来に悪いことばかり起こるように考えてしまう。
  6. 拡大解釈と過小評価。ちょっとした失敗を悪夢のようにおおげさに感じて、逆に自分のいいところは取るに足らないものとして小さく捉えてしまう。
  7. 感情的決めつけ。認知が感情を作るのに、逆に感情をベースに考えてしまう。歪んだ認知からできたマイナスの感情は正しいとは限らないよ。
  8. すべき思考。「すべき」か「すべきじゃない」かですべてを考えてしまう。だれでも間違うことはあるよ。そんな極端じゃなくていい。
  9. レッテル貼り。一度のミスは一度だけのこと。「失敗した!」はいいが「ダメ人間だ!」は、やりすぎ。人は変わっていくから、簡単にレッテルは貼れないよ。
  10. 個人化。全部があなたのせいではないよ。あなたが操作しているわけじゃないから、他人のことまで自分の責任と思わなくていいよ。大事な日に雨が降るのはあなたのせいじゃない。

この10個が表になってる35ページに大きめのふせんを貼って、すぐに開けるようにしてます。自分の電話番号くらいなじむといいらしい。

具体的なエピソードにどの認知の歪みがあるか答えるクイズもやってみよう。

第二部 応用

ここからは手を動かしていくワークが始まる。

僕はトリプルカラム法がお気に入り。

トリプルカラム法は、紙を3分割して、ネガティブな考えを左端に書いて、それがどんな認知の歪みを持ってるか考えて真ん中に書いて、右端に自己擁護するような合理的な考えを書くワーク。

例:「もうこんな自分ゴミくずやわ」→「レッテル貼り、全か無か思考」→「家族もおるし、まだまだええとこもあるで」

他にもいろいろ書いてみる系のワークがあるから、とにかく手当たり次第にやってみるといいと思う。

書くことで冷静になれるし、自分にやさしく考える癖がつく。

そのへんの裏紙でいいから、適当に手を動かしていってほしい。


とまあこんな感じで、ここまで来たら大丈夫。あとはがんばれ。

実はまだ最後まで読んでないから、レビュー書くか迷ったんですが、途中まででも読んでみたら役に立つ人が絶対にいると思ったので。

こういう仕事してるとお金だけが自分の価値みたいに思いがちだけど、そんなことないから楽しくやろうよ。

白と黒のその間に無限の色が広がってる  ーMr.Children『GIFT』より

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