読書メモや書評をもっと書こうと思っているけど、なかなか重い腰が上がらなかった。
だいぶ長期間タスクとして先送りされてきたので、そろそろこの本のことをまとめておく。
『超一流になるのは才能か努力か?』アンダース・エリクソン
(この記事の目的は将来自分で読み返してそんな本だったなと思い出しやすくするため、および現在の記憶の定着のためなので、読みにくさ満載でも謝らない。)
超一流は努力の賜物
本のタイトルの疑問にまず答えを。
『超一流になるのは才能か努力か?』
才能vs.努力の構図はわかりやすい。
「アイツには才能があってうらやましい」と嘆くことで、先天的なものには敵わないし仕方ないと自分を慰められる。
たしかに遺伝的に優位なケースは多々ある。
でも超一流になった人はもれなく適切な努力をしている。遺伝はあまり関係ない。だからあなたも諦めなくていい(諦めてはいけない)というメッセージが込められた本だ。
優しいようで厳しい。
ではどうすればいいか。限界的練習がその答えになる。
限界的練習
この本のもっとも大事なキーワードの一つが限界的練習だ。
特徴を抜き出してみよう。
- 最高のプレーヤーをそうたらしめている能力とその開発方法に通じた指導者
- コンフォートゾーンの外側で限界をわずかに上回る課題
- 全体と部分にそれぞれ具体的な目標がある
- 全神経を集中した練習
- 指導者からのフィードバック
- 心的イメージを作る
- 基礎から部分を積み上げていく
これらを正確に当てはめられるのはピアノやフィギュアスケート、チェスなどの高度に洗練された分野だけだ。
ビジネスや趣味のためには限界的練習に近づけようと工夫してみることで、漫然と取り組むより実りある時間になる。
心的イメージ
限界的練習を通じて作っていく心的イメージも大事なキーワードの一つだ。心的イメージは例を出して理解する方がたやすい。
- 将棋の盤面をちらっと見ただけでどういう状況か判別できる
- サッカーの試合を観て、選手間のポジショニングや動きの意図がわかる
- 保険販売員の「こういう場合はこう提案する」というパターンの多さ
- レントゲン写真からガンの有無を見分ける
- ピアノで1曲を弾くときの演奏イメージ
どれかはピンと来るのではないだろうか。
限界的練習ではこうした心的イメージを作っていくことを目指す。
自分のための「何ができるようになっているべきか?」
ついつい知識を詰め込みたくなる。仕事でも趣味でも心当たりがないだろうか。「あの本を読んでからやろう」と何度思ったことか。
でもそれは「何を知っているべきか?」という視点だ。
限界的練習の目標を立てるときには「何ができるようになっているべきか?」を考える。
知識ではなく技能の習得を目指す。
自分が身につけたいものを分解して考えてみよう。
例えば専業アフィリエイターとして「何ができるようになっているべきか?」を検討してみた。
- 参入ジャンルの調査・選定
- キーワードの調査・選定
- ライバルの調査
- サイト全体の設計
- ドメイン取得からサーバー設定、CMSインストール
- 記事作成
- 内部SEO
- 外部SEO
- セールス・マネタイズ
- ASP・広告主との折衝
- 継続的な運営体制構築
- 外注
それぞれ自分が何点くらいできているか、最高のプレーヤーはどの程度のスキルを持っているのか。
漠然と毎日記事を書くより、自分に足りない部分、及第点に達してない部分を見つけて積み重ねていく方がいい(自戒)。
読む前からわかっていたことだが、才能がすべてじゃなく適切な努力で超一流を目指せるという考え方には救われる。
自省するにコンフォートゾーンの外側に出ることを頑なに避けている傾向があるので、必要なときには不快なことにも取り組むべしと痛感させられた。
うまくいかないとき、新しいことを始めるとき、戻ってくるための読書メモ。
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