男も女も田村由美先生の『7SEEDS』を読め

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完結してしばらく経つが、『7SEEDS』を1巻からもう一度読んだ。全35巻と外伝。

やっぱり好きだ。

この魅力を語らないのはもったいない。

騙されたと思って、4巻いや5巻くらいまで、いやいややっぱり9巻まで読んでほしい……。

ネタバレ少なめの7SEEDSあらすじ

自宅のベッドで寝たはずのナツは、目を覚ますと荒れ果てた海で揺られていた。そこはすべてが変わり果てた世界。

未開の地に等しい環境で夏のBチームと呼ばれる仲間たちとのサバイバルが始まる。

同じく世界に投げ出された春のチーム。

物語は別々のチームが複雑に絡み合って進んでいく。

7SEEDS 岩清水ナツ
誰がなんと言おうとナツ

7SEEDSは心のぶつかり合いを楽しむんだ

崩壊後の世界のインパクトが強いが、7SEEDSの読み応えは人間模様にこそある。

「なんか軽い奴だな」と思ったキャラがふとした瞬間に本当の姿を垣間見せる。

よくいるキャラだと大ざっぱにステレオタイプで捉えていると、突然違う顔で襲ってくるからたまらない。

30人以上の群像劇で誰が誰だか分からなくなりそうだが、読み終える頃にはそれぞれのキャラがしっかり際立つ。

田村由美先生の人を見る眼は恐ろしい。

優秀で苛酷な夏のAチーム

未来に行くためだけに育てられた夏のAチーム。

全員の能力が高く、この世界に必要な知識も持ち、完璧なように思える。

しかし、決してそうではない。

他のチームと関わっていくうちに彼らも気づき変わっていく。

その変化が愛おしい。

7SEEDS 嵐と安吾
スクリーントーンを使わず電撃的な表現をするのは不可能

読めば読むほど味が出てくる

好きな作品は何度でも読む。今となっては古い作品だが『スラムダンク』がその代表だ。

何度も読んでいるからストーリーは分かっている。しかし、いつも泣いてしまう。

最初のうちは小暮くんの回想シーンで泣いていたが、近年は花道がジャンプシュートを練習しているシーンでもう泣いている。

女の子に気に入られるためだけにバスケ部に入ったあの花道が、練習が楽しくて夢中になる。成長を感じてもうダメだ。山王戦はもう大変だ。

これをスラムダンク状態と呼んでいる。

『7SEEDS』もこれが現在進行中である。

新巻さんの一挙手一投足に感情移入して泣けてくる。

安吾と嵐の会話に、小瑠璃のパラグライダーに、マークの日記に、ナツの成長に。

創作物について泣けるからいいとは思わないけれど、30代後半にもなると涙腺が相当ゆるくなるらしい。心に触れることがあると、涙という分かりやすい形で身体に表れる。

7SEEDS 新巻鷹弘
鷹さん……涙

Netflixで『7SEEDS』はアニメ化されるそうだ。

どんな出来映えになるのか楽しみだ。

アニメ「7SEEDS」公式サイト
累計600万部超(デジタル含む)の近未来サバイバルストーリー、アニメ「7SEEDS」。2019年6月よりNetflixにて全世界独占配信決定!

外伝はほぼエピローグだけど、読まないとかありえない。

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